ラグビー日本代表、守備の課題が浮き彫りに　選手も危機感「ディフェンスの目標が見えない」「降りてきたものに対応するしかない」

ラグビー日本代表はイングランド代表とのアウェイ戦で、14―59の大敗を喫した。前半だけで5トライ、全体で9トライを許し完敗となり、ゲームキャプテンのSH斎藤直人（トゥールーズ）は「特に前半の20～30分間はずっとプレッシャーを受けて、自分たちのアタックを十分に展開できなかった」と試合を振り返った。

この試合では、スクラムやラインアウトで劣勢となり、モールから連続失点を許した。ディフェンスラインも崩れ、課題が再び浮き彫りとなった。日本は今年6月のイングランド戦（17―52）を皮切りに、失点の多さが問題となっており、最近の強豪国との対戦でも、ニュージーランド（19―64）、フランス（12―52）、イングランド（14―59）といずれも大量失点を喫している。BK梶村祐介（横浜）は試合後、「ディフェンスのプランが今はなく、相手のエラーを待っている状況だ。ディフェンスのゴールが見えないという感覚は正直ある」と語った。

エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ（HC）が掲げる「超速ラグビー」は現在、攻撃中心に練習が進められている。一方、失点の多さに関して選手からは改善の声が上がっているものの、「現状、練習や試合でその改善がフィールドに反映されていない」との声も聞かれる。梶村は「選手としては、降りてきた指示を元にプレーするしかない」とし、「現状ではその指示に従ってプレーしている」と説明した。

試合後、エディーHCは今年のテストマッチ結果を振り返り、「特に成長した点も、ひどくなった点もない」とコメント。これに対し梶村は「選手としては、降りてきた情報の中でできる限りのことはやったと思っている。言葉にするのは難しいが、お互いに成長しなければ、今後の進展はない」と危機感を強め、「プランの変更もなく、同じような展開で負けることが続いた」と、さらなる修正と成長への意欲を明かした。

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