井上尚弥、フェザー級転向を求める海外選手に指摘「お前らが下げてこい！」

ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者である井上尚弥（大橋）が29日、神奈川・横浜市内の所属ジムで練習を再開した。6日に東京ドームでルイス・ネリ（メキシコ）を6回TKOで下し、4団体王座の同時防衛を果たしてから23日が経過。9月に関東で開催が見込まれる次戦に向けて再び本格的なトレーニングを開始した。

井上に対しては、海外から1つ上のフェザー級に早く上げるよう要求する選手が存在する。これに対し井上は「お前らが下げてこい！」と強調した。ボクシングは階級制のスポーツであり、命の危険が伴うため、ルールは厳格に守られている。しかし、ビッグマネーが動く井上戦を望む選手が多く、特にフェザー級の選手から階級を変更するよう求める声が上がっている。

練習前の会見で、井上は「スーパーバンタム級に敵がいないから階級を上げろというのはおかしい話だし、やりたいんだったら『お前らが下げてこい！』という話」と語気を強めて持論を述べた。さらに「もちろん階級制のスポーツなので自分にも限界があります。フェザー級に行く準備はしていますけど、そこはまだ何とも言えないかなと」と、当面はスーパーバンタム級に留まる方針を示した。

この日、対戦候補だったWBO＆IBF世界同級1位のサム・グッドマン（オーストラリア）が7月に試合を行うことが発表された。井上の陣営の大橋秀行会長は「一応、9月に次戦を予定していますけど、対戦相手の今の状況は未定です」としつつ、グッドマンについて「まだ交渉の余地はありますけど、どうなるかわからない」と語った。

井上はシャドー、サンドバッグ、ミット打ちをそれぞれ2回ずつ行い、大粒の汗を流した。「自分はフラットな気持ちで練習を再開する。基礎から土台をつくっていくところ」と語り、自分に集中する姿勢を見せた。「僕は誰とでもやる」と自信を見せる井上の今後の展開に注目が集まる。

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