頂上への挑戦、夢破れるも…ソフトバンクが見せた「誤算」と「未来への種」

SMBC日本シリーズ2024 第6戦 DeNA 11-2 ソフトバンク（3日、横浜）

日本一を目指したソフトバンクホークスの挑戦は、惜しくも終わりを迎えた。シーズンを通して圧倒的な強さを見せた小久保監督率いるホークスは、日本シリーズでも先に2連勝し有利な立場に立ったが、DeNAに対して4連敗を喫し、頂点には届かなかった。

「DeNAの選手たちは、勝利への強い執着心が見えた」と話すのは球団会長の王氏。小久保監督のもと、シーズン91勝という快挙を成し遂げたホークスを称賛しつつも、シリーズの結果を冷静に受け止めていた。「監督というのは孤独なものだ」と、監督時代の経験を持つ王氏は、寄り添うように小久保監督を労った。

一方で、シーズン中に見られなかった起用法がいくつか見られ、選手たちに戸惑いもあった様子だ。特に第4戦、第5戦での高卒4年目の笹川の先発起用は驚きを呼んだ。シーズンではわずか7試合の出場だった彼が第5戦で「1番」に抜擢されたが、結果は振るわず、チームの苦しい状況をさらに浮き彫りにする形となった。

この起用法については「最悪の状況を想定しながら戦った」と監督の意図は明確であったものの、チーム内には小さな波紋が広がったのも事実だ。この点では、シリーズ中の「誤算」とも言えるだろう。

しかし、未来への可能性を感じさせる収穫もあった。シリーズを通じて、若手の投手陣が次々と大舞台に登場し、尾形や松本晴、前田純、木村光といった選手たちが新たな経験を積む場となった。特に新人の岩井が3試合に登板するなど、未来への希望を垣間見せたのは大きな意味を持つ。

今回の敗戦で悔しい思いをした若手たちだが、この経験が来季の糧となり、彼らが未来のホークスを支える戦力へと成長することを願わずにはいられない。

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